遺言書作成⑧(遺言の撤回・修正)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 遺言は、一度書いてしまえばそれで終わりでしょうか?あとからやっぱり書いた内容で相続させるのはやめたい、相続させる割合を変えたいと考えることもあると思います。では、遺言の撤回や修正をするにはどのような方法で行えばよいのでしょうか?撤回の方法には、以下のものがあります。

 

(1)遺言者が遺言書を破棄する

(2)前の遺言書を撤回する旨の遺言書を作成する

(3)前の遺言書の内容の一部と抵触する(異なる)内容の新たな遺言書を作成する

(4)遺言の内容と抵触する行為を遺言者が生前にする

 

 (1)については、物理的に遺言書がなくなるので、遺言そのものが存在しないこととなります。ただし、公正証書遺言の場合には、遺言の原本が公証役場にあるので、この方法では撤回したことにはなりません。

 

 (2)については、新たな有効な遺言であれば、前の遺言は撤回できます。

 

 (3)については、遺言は後に書いた内容が有効なものとなり、前の遺言の抵触する部分は撤回されたことになります。ただし、抵触してない部分については前の遺言が有効となるところもあります。(後の遺言を書いた趣旨によっては必ずしも有効となるわけではないですが)

 

 (4)について、例えば、遺言に自宅を長男に相続させると記したが、その後、遺言者が自宅を売却した場合などが挙げられます。

 

 では、撤回まではしなくても一部修正すればよい場合には、どのように修正をすればよいでしょうか?これは自筆証書遺言で書いた場合に問題となります。

 

 自筆証書遺言の記載内容の変更は、遺言者が、その場所を指定し、これに変更した旨を付記してこれに署名し、かつ、その変更の場所に押印しなければなりません。直筆で加除の旨を付記し、署名する場所は、その行の左(縦書きなでは上)の余白になります。その余白に書く訂正内容は、例えば「本行10字目を2に変更する。山田太郎」のように書きます。また、遺言書本文については、加除変更する部分を示し、直す文字は二重線で消します。加除変更場所には押印します。

 

 変更内容は、一部修正の場合もちろんですが、特に撤回の場合には、変更内容を吟味してから書かれるのがよいと思います。撤回部分が前の遺言に抵触しているようにも抵触していないようにも読めると、遺言者の意思が正確に反映されないことになりかねないからです。

 

 また、吟味されるべきことの一つに特に作成段階で法定相続人の遺留分についてがあります。次回は、この遺留分についてお話しします。

 

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